研究内容

崩壊核分光研究:β安定線から離れた不安定核の壊変特性、核構造の解明、崩壊核データ研究


高エネルギー励起構造の測定と解明

中心部分の線源の98%の立体角で覆うことができる貫通孔型クローバー検出器では、壊変に伴うγ線を4台のGe検出器で独立に測定する方法(singles mode)と、時間情報を含むリストモードによる 複数通りのコインシデンス測定(add-back mode)が可能である。add-back modeでは、カスケード関係のγ線のエネルギーの足し合わせ測定ができるため、高エネルギーの励起準位が同定できる。(エネルギーサムγ線分光法) この方法を、147La、145Ba、156Ndに適用し、Qβに対して2/3程度までの娘核の高エネルギーの励起準位の同定を可能にした。
貫通孔型クローバー検出器は、検出器単体では最も大きな検出器で、検出効率も最高である。その反面、コインシデンスサムの影響が大きく、γ線放出率の決定には不向きである。 モンテカルロシュミレーションコードGEANT4を用いて結晶の幾何学条件を単色線源の検出効率を再現するように合わせることによって、singles modeでは3%、add-back modeでも~5%でコインシデンスサムを補正し、 不安定核のγ線放出率の系統誤差を小さくすることを可能とした。

クローバー検出器によるガンマ線エネルギーサム分光法を用いた高エネルギー励起準位の同定と崩壊図式の決定

クローバー検出器によるsingles-mode測定のコインシデンスサムの補正


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