応用核物理学グループ Applied Nuclear Physics Laboratory |
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名古屋大学アイソトープ総合センター (工学研究科エネルギー理工学専攻エネルギー量子工学講座協力講座) |
Qβは、基本的な物理量であるとともに、崩壊熱の評価にも重要な値である。 高効率の全吸収型検出器を開発して、Qβ測定を通して原子質量と半減期を同時に決定する。理論による予測値は実験値のない領域 では、実験値と大きく異なる。また、予測値もモデル間で異なる。実験値は、更に不安定な領域の理論モデルの構築に貢献する。
高効率のGe検出器を用いることによって、β壊変に伴う娘核の高エネルギー励起準位を同定する。コインシデンスサムの補正(下、コインシデンスサムの補正参照) によって、各準位へのβ分岐比を実験的に決定するとともに、励起構造を明らかにする。
プラスチックシンチレーターとLaBr3(Ce)シンチレーターによるβ-γ遅延同時計数によって励起準位の寿命を決定する。従来、LaBr3(Ce)は数100keV のγ線に適用されてきたが、X線コンバーター法を適用して100keV以下(数10keV領域まで)の寿命測定を目指す。
大きな結晶を用いたクローバー検出器とGe検出器を組み合わせて、γ線の直線偏光度を測定する偏光度測定器(ポラリメーター)を開発。
原子番号Zが100より大きい重核のα分光を利用して、核構造を研究する。Nilsson軌道の系統性を明らかにすることによって超重核領域の安定性、核構造を予測が可能となる。 原子力機構のタンデム加速器を用いて、超ウラン元素ターゲットによる核反応で対象核を生成し、ISOLで分離し、測定する。Lrなどの重核の核分裂片の質量分布の測定も行う。
線源-検出器間の距離(立体角)が近いとコインシデンスサムの補正量が増える。また、コインシデンスサムの効果は、崩壊図式に依存する。 標準線源を用いて補正の立体角依存性および崩壊図式の複雑さによる、γ線放出率決定のための補正法の検証を行う。また、134Csを含む体積線源の簡易的な補正方法を検討中である。
京都大学原子炉実験所 研究用原子炉附置ISOL
日本原子力研究開発機構 タンデム加速器附置ISOL